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その山、仮にA山と呼ぶが、私も過去にその山に幽霊に会うために行ったことがある。 「幽霊がいると思うと怖いから、信じない。」 そんなことを言う人が結構いる。こういう人は、いい結果が出た時だけ占いを信じるようにしている人と同じで、なるべく自分にとって嫌な物のことは考えたくないのだと思う。つまり、実際には「信じない」のではなく「信じたくない」のだ。 さて、実は私はそういった人達とは逆で、幽霊を信じたい人間である。その理由は幼い頃から、人間は生きていればいずれは死んでしまうということがたまらなく怖かったからだ。死んで何もかも無くなってしまうことと比べたら、どんなホラー映画も怪談も怖いとは思わなかった。 もちろん、これは比較の話でホラー映画や怪談を見たり聞いたりしても恐怖を感じないというわけではない。あくまでも人間はいつかは死んでしまうこと。死んでしまうと何も無くなってしまうこと、無になってしまう可能性が非常に高い~ということと比べたら、怖くないという話である。 私は趣味でよくUMAやUFOを探しに行ったりするが、幽霊が出るという場所にはそれ程、足を運んでいないのもやはり怖いからなのだと思う。 だが、幽霊を怖いと思いながらも、幽霊こそが自分の抱えている最大の恐怖を救ってくれる存在だということにも気付いていた。幽霊の存在が確実なものであることが分かれば、死んだ後も無になることはなく、心(意識)は残っていくのだということになり、死への恐怖も大きく薄らぐことになる。 そんな気持ちを、その日一緒に遊んでいた友人のF君に打ち明けたのは、今から9年ほど前のこと。その日は彼の運転する車で水戸に行って遊んでいて、その帰り道に何となく、僕は幽霊が確実に存在するという証拠を見つけることが夢なんだ。~と、語ったのだった。 私自身は霊の存在に関しては肯定派でも否定派でもない、霊の存在を願っている中立派であったが、彼は霊に関しては完全に否定派であった。 しかし、霊の存在を信じていないF君は私の話を聞いて、「じゃあ、帰りにA山に寄ってみようか?」と言ってきた。 A山がある方には、私はあまり足を運ぶ機会がなく、この時はそこが有名な心霊スポットであるということも知らなかった。ただ、F君の話を聞く限りでは、そこではかなりの数の人が霊を見たという噂らしい。 私はちょっと恐怖に感じつつも、幽霊に会ってみたいという気持ちの方が上回り、「連れていって」とお願いした。 水戸で遊んだ帰りだったので、もう外は暗くなりかけていた。 ※ A山に行くことを決めてから十数分後、私は初めて自分の乗っている車が事故を起こすという体験をした。 車が何かにぶつかる時、動きが一瞬ゆっくりと、スローモーションのように見えるというのは本当だった。F君の運転する車が前を走っていた軽トラックにぶつかった。 幸いにも、お互いに怪我人は出ず、車の傷はどちらにも付いたが、どちらかが弁償するといったような話にもならず、私たちはそのまま、進むことになった。 ただ、A山に行こうと決めた途端の事故に、F君も「これって、A山の霊の仕業とかじゃないよな」と言い出した。私もそんな気が一瞬したが、その言葉はF君自身が、「A山にまだ入ってもいないのに、A山の幽霊がわざわざそんな遠くで自分達の話をしている人間にまでちょっかいを出すなんてこと無いだろ」と、否定した。 そして、「それとも、たけしは怖くなった? 怖いんなら探検は中止にしてもいいけど?」と聞いてきた。 だが、私は「ううん、やっぱり、僕は幽霊に会ってみたいわ」と、A山に行くことは止めたくなかった。 その後、私たちは車でA山に入っていった。A山は小さな山だったが、木がびっしりと生えていて、おまけに照明もあまり多くないので、とても暗かった。 車を停めて、A山の中でも特に霊の目撃が多いという場所まで徒歩で移動することになった。 私は霊が存在するという何らかの証拠が撮れるかも知れないとビデオカメラを手に持って、山の奥に入っていった。 A山で、特に霊が現れるという場所は小さなトンネルだった。本当に小さく、短いトンネルで、距離は100mも無かった。 ただ、ここまで来ると本当に照明も無く、月や星の明かりもたくさんの木で隠され、本当に真っ暗だった。 私はこのトンネルを見てすぐに、ここなら、実際には何もいなかったとしても幽霊が出たと勘違いしてしまう人がいてもおかしくないとまず思ってしまった。別にはなから否定的な気持ちでそう思ったのではない。ただ、仮にここに何もいなかったのだとしても、それくらい不気味に思える場所に見えたということだ。 私とF君はまずはトンネルの周囲をじっくり見て回ることにした。私はビデオカメラで撮影しながら、ここにいる幽霊への自分の素直な気持ちを打ち明けることにした。 心霊スポットにあまり足を運んではいけない理由として、彼らの居場所に土足でずかずかと足を踏み入れることが良くないのだといったようなことはよく聞く。私は肝試しをするような気分でここに来たのではない。霊がいると信じられることで救われると思ったからここに来たのだし、そもそも元は自分たちと同じ生きている人間だったのだから、幽霊をいつまでも恐怖のための材料にしている状況も好ましいとは思えなかった。 だから、私はしっかりと口に出して。 「私は死ぬのが怖いです。それは死ぬと何もかもなくなって無になってしまうと聞いていたからです。でも、もしも本当に幽霊がいるのなら、その怖さも無くなると思って、ここに来ました。私は皆さんと出来ることなら仲良くやっていきたいです。もしも、本当に幽霊がいるのなら、生きている人間から怖いとか不気味とか思われることを決して快いとは思っていないんじゃないでしょうか? 僕は皆さんのことを怖がりたくありません。残念ながら全く怖くないと思うことは出来ません。今、血まみれの姿の幽霊が目の前に現れたりしたらむっちゃ怖がります。逃げ出すかも知れません。 ・・・あ、ですので、もしも幽霊さんが自分の姿を自分たちで変えることが出来るのなら、もしも現れる場合はなるべく、こちらも怖がらずに済むような姿で現れてくださいね? 僕は、僕のためにも、そして幽霊になった人のためにも、本当に幽霊がいるのならば、そのことを確信出来る証拠を得て、幽霊がいることは怖がることじゃない。幽霊と生きた人間で楽しい世の中にしていこうと呼びかけていける人になりたいと思います。 あ、僕、作家になりたいと思っているので、そういうことを世間に伝えていけるようにも頑張りたいと思っているんですよ~。 もしも、僕に霊感がなくて、目の前に皆さんがいるのに見えていない場合はカメラに映っているかも知れないのでカメラの前に来てくださいね。 あ、映る場合はあんまり怖くない姿でお願いします。笑顔でピースサインとか、たまにはしてみるのも良いとは思いません?」 ・・・まぁ、こんなことをずっと言いながら撮影していたのである。 馬鹿馬鹿しいと思う人もいるだろう。実際、F君には私の行動が馬鹿馬鹿しく見えたのだろう。私を見て、F君の方は私とは逆に心霊を小馬鹿にするような発言を敢えて口に出して言っていた。 A山を探検していた私たちは、ある異様な光景を目にした。それは数名の大人が大掛かりな機材を設置して何かを調べていたのだ。サーモカメラで撮影した映像がモニターに映っている。夜だったのでサーモカメラの映像には青い部分が目立っていた。 間違いなく遊びで入ってきた人間ではなく、本格的にこの山を調べているようだった。大人たちは私たちの存在にも気付いたようだったが、特にこちらに声を掛けてくるようなことは無かった。 「何してるんだろ?」 「FBIが調べに来てたのかも」 私は笑ってそう答えた。X―ファイルのように、謎の調査組織のような存在が動いているのだとしたら燃えるが、これはきっとテレビ番組の撮影なんじゃないだろうかと私たちは考えた。 テレビ番組がわざわざ多くの機材を用意して調べに来ていることを知って、私たちはこの山に何かいるのかも知れないという気持ちをより大きく膨らませた。 もう一つ、私がこの山に特別な物を感じる出来事があった。それはA山を撮影するビデオカメラの電源が途中で何度も切れるのだ。バッテリーには電池はたっぷり残っていて、もう一度起動させればまた撮影は出来たのだが、その後もしばらくすると電源が切れ、また電源を入れて撮影、また切れる、また入れて撮影、切れる、また入れる・・・といった操作を繰り返した。 この頃の私はやたらといろんな物をビデオカメラで撮影していた(自主映画の素材にするためだった)のだが、今までこんな風に撮影中に電源が切れるようなことはほとんど無かった。 感覚的な物ではなく、物理的に奇妙なことが起きたことで、私の中で本当にここには何かがいるんじゃないかという気持ちが膨れ上がった。 ※ 3,40分程、A山を探検(撮影)して私たちは帰った。サーモカメラで調査をしている大人たちの車を帰りに発見した。テレビ番組のロケでよく使われているタイプの車だった。 F君に家まで送ってもらって、私はF君と別れた。 それから一時間か二時間くらい経った時だった。部屋で携帯電話が鳴り出した。鳴っている携帯電話が自分の携帯だと気付いて、私はびっくりした。 というのも、私は携帯電話の着信音が鳴るのが嫌いで、外はもちろん、家の中でも常にマナーモードになっているのだ。バイブ音以外で、携帯の着信を知らされたのは、これが初めてのことだった(そして、未だにこの時だけである)。何故、マナーモードが解除されたんだ? 疑問に思いながらも電話を取ると、電話を掛けてきたのはF君だった。 F君は電話で僕にこう伝えた。「家に帰ったら、爺ちゃんが調子が悪くて入院することになったって・・・」 F君の言いたいことは分かる。A山に行こうと決めたら、事故に遭い、A山から帰ったらお爺ちゃんが入院することになった。果たしてこれは偶然なのだろうか? と、彼は思っているのだ。 ただ、F君は結局これはただの偶然だよなと口にした。偶然であって欲しいと思っているように僕は感じてしまったが。 僕はF君に、僕の携帯電話のマナーモードが解除されていた話をした。僕の携帯電話が鳴ったのは、幽霊が僕の呼びかけに応えてくれて霊感のない僕のために何か現象を起こしてくれたのじゃないかという自説を披露したのである。 もちろん、これだけでは、とても確実に幽霊は存在するのだという証拠にはならないことは分かっていたが、私はちょっと嬉しかった。もちろん、F君のお爺ちゃんのことは心配だったが・・・。 (事故の件はともかく、お爺ちゃんの件は以前から調子も悪かったので偶然だと思うとF君は言っていた。 そして、これは根拠はないが、私もそうだと思った。根拠のない話は続くが、本当にA山が幽霊がいたとしても、彼らは無関係な人間を巻き込むような存在ではないという気が不思議としたのだ。) ※ その後、A山に調査に来ていた番組は日本テレビ系で放送されていた「特命リサーチ 200X」であったことが分かった。A山を番組が調べている様子が放送されたのだ。番組では不思議な存在を捉えることは無かったようだった。 そして、もう一つの映像・・・私がA山で撮影して途中で何度も電源が切れてしまった、あのビデオカメラの映像には何か映っていなかったのか? その件に関しては非常に申し訳ないのですが、実は私もまだ確認していないのです。何度か確認しなくちゃと思いはしているのですが、その映像を見るのが妙に怖くてそのテープは未だに再生出来ずにいます。 ですが、私の感じた「ここに、もしも霊がいるのなら、悪い人達(今は死んでいても、私は霊が存在するのなら、彼らのことは人と呼んでも良いと思う)では無い」という私の直感をここは信じて、今度、実家に帰った時にはこのテープを確認してみたいと思います(テープは実家に置いてきたのです)。 私はあの日、生きた人間と、かつて生きていた人間、両方にとって良い世の中にするために頑張ると約束したのですから。
by nakazawa_takeshi
| 2010-02-22 01:59
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